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2018.08.23

grow with BOOKS season2

SAYEGUSA店内の小さな本屋さん「grow with BOOKS」。一度は子どもたちに読んでほしい本、手に触れてほしい本。今シーズンも新しいラインナップが加わりました。

本を読もう。木の皮をグツグツと煮ることで出来上がってくる紙に、インクで印刷された文字や絵
の情報。それらを並べて積み重ね、綴じたものが一般的に「本」と呼ばれるもの。本に記載された情報だけなら単に電子化できて、どこでも、いつでもデバイスに表示できてしまう。

しかし紙の本に存在する情報はそれだけではなく、じっとセンサーを張り巡らせれば、そこでは様々な情報を読み取ることができるものだ。装丁のグラフィックや帯の仕様、紙の選び方や、ページを送る際のちょっとした間や重量まで。また、前に読んだときについたかすかな汚れやメモ書き。それがヴィンテージの本なら経年することで起きる色褪せや匂いの変化だって、立派な情報のひとつなのだろう。紙の本には、現代の生活では失いがちな、そんな豊かな余白が残されている。自分なりの想像力を駆使すれば、経験していないことを経験することができたりもする。特に子どもにとっての本を読む時間や行為は、大人になったら獲得することが難しい、かけがえのない余白のようなものを与えてくれるのではないだろうか。

SAYEGUSAで現在取り組んでいる「growwith BOOKS」は、そんなアナログの本が持つ魅力を子どもたちに伝えるための活動であり、店舗の一角の小さな本屋さんだ。ブックディレクターの第一人者であるBACH/幅允孝さんが考えた約30冊から成る選書は「美しいこと」「しぜん」「まいにちのこと」という3テーマから構成される。国内海外作家は問わず。そして絵本だけにとどまらず、児童文学や写真集、詩集など。そもそも子ども向けに考えられた本だけではない、マルチジャンルな選書が定期的に更新されていくのが魅力だ。また、本を起点にした作家や出版元とのイベント活動やワークショップなども企画されていくという。

服と、それを身に着けた記憶がかけがえのない思い出になるのと同じように、子どもの頃に撒いた本という「可能性の種」は、成長したあともこころの深い場所でじっと育ち、だいぶあとになってから、それぞれの花を咲かせるはずだから(そしてそれは何度でも)。


1. ソビエトの絵本 1920 – 1930古書(参考商品)

1989年5月にスイスのチューリッヒで開かれた「ソ連子どもの本展」。その展覧会の中心となった1920 年代のロシア絵本をなるべく当時の印刷状態に近いかたちで再現を試みた一冊です。1917 年のロシア革命以後に栄えた芸術運動「ロシア・アヴァンギャルド」の特徴がこれらの絵本からも見て取れます。

2. DESIGN AND FORM 古書(参考商品)

スイスの芸術家であり、ドイツ・ワイマールの美術学校バウハウスで講師を務めたヨハネス・イッテン。バウハウスは基本教育(ベーシックコース)と実技コースから構成されており、そのベーシックコースの内容を豊富なイラストレーションとともにまとめた一冊で、今でも美術にたずさわる者に影響を与え続けています。

3. 木 佐藤忠良(画)、木島始(文)、福音館書店 ¥972

とある老人が木のスケッチをしていると、その大木が老人にそっと語りかけ対話が始まります。絵は『おおきなかぶ』(福音館書店)でおなじみの佐藤忠良。日々の制作の合間に木のデッサンを続けていたという彼の描く木は、生命力に満ち溢れています。

4. 林檎の木 上田義彦(撮影)、赤々舎 ¥1,512

写真家・上田義彦がフォトフェスティバルのために群馬県川場村に訪れた際、タクシーの車窓から偶然見つけた林檎の木。村で一番古いというこの木のことが後になっても忘れられず、上田は数年後に同地を再訪、8×10のカメラで撮影しました。写真家の「撮る喜び」を感じる一冊です。

5. センダックの世界 古書(参考商品)

『かいじゅうたちのいるところ』や『まよなかのだいどころ』などで世界を代表する絵本作家、モーリス・センダックのすべてがわかる絵伝記。若い頃から晩年に至るまでのアートワークが豊富な写真資料とともに収録されています。図版からは、センダックの繊細でかつ流れるような筆致を感じることができます。


grow with BOOKS

年間75,000冊以上発行されるという本の中から、ブックディレクター幅允孝さん(BACH)が選書する、SAYEGUSAの中の小さな書店。「美しいこと」「しぜん」「まいにちのこと」という3テーマにそって、子どもたちへ贈りたい約30冊の本を提案しています(内容は年に2回のペースで入れ替わります)。また、本に関連したイベントも企画していきます。