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2019.06.10

対談 Green Dialogue vol.10 (前編)

環境保全、環境教育などを通して社会貢献に取り組むさまざまなスペシャリストに、弊社代表の三枝 亮が話を伺う「Green Dialogue」。記念すべき第10回のゲストは、一般社団法人エシカル協会代表理事の末吉里花さんです。末吉さんは、「エシカル消費」の普及啓発活動を行うとともに、エシカルの「案内人」を育成する「エシカル・コンシェルジュ講座」も開いておられます。
一般社団法人エシカル協会代表理事 末吉里花さん

「買いましょう」ではなく「知りましょう」

――エシカルとは何でしょうか。最近よく耳にするようになりましたが、改めて教えていただけますか?

末吉さん:エシカルは直訳すると倫理的という意味を持つ形容詞です。良心から派生した社会的規範のようなものです。よく、社会のなかで言われている定義は、「人や地球環境、社会や地域に配慮した行動」。なかでも、私は「消費」に着目して、取り組みを行っています。

経営者も主婦も学生も、消費者です。もっというと、全世界の人が消費者です。すべての人に日々の暮らしのなかで、エシカルを意識してほしいので、エシカル消費の啓発を行っています。

末吉さんはエシカルをテーマにした講演活動を年に100回以上行う。SDGsが採択されたのを機にエシカルの潮流が起きていると強調

――確かに消費は、あらゆる世界で行われていますからね。一人ひとりが気づき、意識をもって行動することで社会が変わっていくということですね。

 

末吉さん:はい、そうだと思います。エシカル消費の啓発を行うようになって問題に感じているのは、消費者が問題を見る機会が少ないということです。つまり、企業が商品の背景をほとんど公開していないし、商品に記載してあるわけでもない。だから消費者が知らないため、問題が問題になっていないのです。

消費の裏側で、どんなことが起きているのか、問題をまず知りましょう、と呼びかけています。つまり、エシカル消費をたくさんしましょう、というより先に、生産の過程を知ることが大切だと思います。

 

――「買いましょう」ではなく「知りましょう」という呼びかけで、参加ハードルを低くするという視点はいいですね。ところで、多くの消費者が気付いていない生産にまつわる問題とはどのようなことでしょうか。

 

末吉さん:大きく分けて3つあります。1つ目は、二酸化炭素の排出によって起きる気候変動。2つ目は、児童労働や搾取労働などの人権侵害。そして、最後は生物多様性。事業を通して資源を奪うので、他の生き物にとって生きづらい環境にしてしまっているのです。

 

――では、それら生産にまつわる問題に向き合うためのエシカル消費とはどのような消費なのか、改めて教えてもらえますか。

 

末吉さん:フェアトレードやオーガニック、リサイクル、アップサイクル、障がい者支援に繋がるもの、地産地消など、人や環境、地域に配慮した商品を買うことの総称を、エシカル消費と言っています。

GDP全体の5割以上を占めている個人消費がエシカルに変わると社会への影響は大きいと語る

――サヱグサでは2016年に、銀座3丁目の本社ビルの使用電力を、再生可能エネルギー主体の電力に切り替えました。コンセントの向こう側を考えて電気を選んだので、これもエシカル消費と言えますでしょうか。

 

末吉さん:はい!もちろんエシカル消費です。素晴らしいです。電力を切り替えようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

 

――私たちは、長年、子ども服の販売事業と不動産事業を営んでいるため、お客様である子ども世代と地域への貢献を常に念頭に置いています。子どもたちが生まれてきた時点よりも、将来の環境をより良くする方法はないだろうか?豊かな自然と環境を残すことを私たちの社会的責任と捉えた時、会社としてすぐに取りかかれる事の一つでした。

 

末吉さん:よく企業の方と話していて、うちはエシカルな取り組みを何から始めたらいいのか分からないという悩みを聞きます。おすすめしているのが、自然エネルギーへの切り替え、そして、もう一つが、社内で消費するコーヒー豆をフェアトレードに切り替えるなどです。

社会問題に向き合うと、難しく考えてしまいがちですが、まずは身近なことから始めていってほしいです。

 

ー 後編へ続く ー

 

末吉里花さんがエシカルをテーマにした絵本を製作!

「ねぇ、知ってる? 見えない世界のほんとうのはなし きみたちとぼくが生きる地球のはなし」

末吉里花さんが紡いだ文章と『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』など話題作を手がける中川学さんのポップな絵でおくる、名もなきこざるとのエシカルでマジカルな冒険この地球に生きる一員である子どもから大人まで、すべての人間たちへ。

『じゅんびはいいかい? 名もなきこざるとエシカルな冒険』

・末吉里花・文 中川学・絵

・予価 本体1,500円(税別)

・A4変型判 40ページ

・2019年7月下旬刊行予定

・amazonの取り扱いページはこちら


末吉里花 / Rika Sueyoshi  アメリカ合衆国ニューヨーク市生まれ、神奈川県鎌倉市育ち。慶應義塾ニューヨーク学院、慶應義塾大学総合政策学部卒業。1996年度ミス慶應。TBS系『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターとして世界各地を旅した経験を持つ。 著書に『祈る子どもたち』(太田出版)。新刊『はじめてのエシカル』(山川出版社)。現在は、日本全国の自治体や企業、教育機関で、エシカル消費の普及を目指し講演を重ねている。日本ユネスコ国内委員会広報大使。

聞き手 三枝 亮 / Ryo Saegusa  株式会社 ギンザのサヱグサ 代表取締役社長。 1967年東京生まれ 。子どもたちの上質なライフスタイルを提案するスペシャリティストアをディレクションする傍ら、都会に住む子どもたちを取り巻く環境の改善に重要性を感じ、2012年「SAYEGUSA GREEN PROJECT」を立上げる。