SAYEGUSA online shop

articles

2019.10.30

NEW!! my first SAYEGUSA


遠藤 真理
子ども時代の「楽しい」が育む、音楽の力

ソロ奏者として、オーケストラの演奏者として、
情感溢れる演奏で多くのファンを魅了するチェリスト・遠藤真理さんは、
子ども時代、音楽を楽しむ心のタネをどのように育んだのでしょうか?


――クラッシックとチェロに出会ったきっかけは?

 

私がチェロを始めたのは物心がついた3歳の頃でした。当時、2つ年上の兄がスズキ・メゾートのお教室で
バイオリンを習っていて、母が私にもそろそろ楽器を習わせたいと先生に相談しましたところ、「兄弟で
同じ楽器じゃない方が楽しいですから」とチェロをすすめてくださったんです。

母はごく普通の家庭に育ったのですが、子どもが喜んで演奏したくなる気持ちを大切にする、スズキ・
メゾートでバイオリンを習っていたこともあって、私たちに楽器を習わせたかったようです。

チェロを始めたばかりの私は、レッスンで先生に会うためにお稽古に行くくらい、先生が大好きでした。
男性だったのですが、いつもニコニコと笑顔を絶やさず、楽しかった思い出しかありません。先生の
似顔絵を描いたり、折り紙を折ったりしてレッスンでプレゼントしていたくらいです。

 

――思い出の発表会の衣装はありますか?

 

母は発表会のお洋服でも決して高価なものを買うわけではなく、知り合いのお下がりを上手にコーディ
ネートしてくれたものでした。私が大好きだった先生の結婚式で、生徒みなで演奏した時に着た、青い
ラインが入ったセーラーカラーの白いワンピースは、嬉しくて記憶に残っています。

衣装の力はとても大きくて、歩き方や姿勢が違ってきますね。洋服の持つ力だと思います。今はコン
サートの演目の作曲家の出身地がスペインだったり、自分を鼓舞したい時に、赤い衣装を着たりして
います。

学校から帰ったら、毎日必ず練習。
何よりも楽器を弾くことが大好きだったんです。

チェロを始めたばかりの3歳当時の遠藤さん。
奥に立っている大好きな先生の前で、小さなチェロを夢中で弾く姿には、演奏家の風格が感じられる。
お母様がコーディネートした白いワンピースと
赤いタイツが可愛らしい。

――プロの道に進むことを決めたのはいつ頃?

 

父は普通のサラリーマンで、母は主婦というごく普通の家庭で私は育ちました。音楽家のプロを目指す
ために、お子さんが小さい頃からコンクールにたくさん出場させるなど熱心なご家庭もあると思います
が、私は両親にレールをひかれてその道に進んだわけではありませんでした。

子ども時代は、友達と遊んでいる途中でお稽古のために帰ることもたびたびあって、「もう少し遊び
たいな」と思うことも。でも楽器を弾くことが大好きだったので、あまり辛くはありませんでした。
毎日学校から帰ってきたら練習するとか、決めたことは必ず実行する性格。兄がレッスンで先生に反抗
しているのを見て、反面教師にしていたのです。

音楽学校への進学は、「中学受験するの?」と母に尋ねられて意識し始めました。高校から音楽科に
進んだのですが、合格した東京藝術大学付属高校はひと学年40名という狭き門。通学の行き帰りにも
楽譜を読みながら、夜遅くまで練習してヘトヘトになって帰宅する毎日でした。だからこそ、それまで
のびのび育ててくれた両親にも感謝しました。「とにかくがんばらなければ」と集中力を養えたから
です。その後藝大に進学、そして留学。その時々にやるべきことを頑張って、今に至っていると思い
ます。

 

――チェロを演奏する楽しみを感じる時は?

 

チェロという楽器は「唄う」楽器である一方、伴奏することもできる幅の広い楽器なんです。サン=
サーンスの「白鳥」や、フォーレの「夢のあとに」などはメロディーの美しさを唄う喜びをいつも
感じます。ブラームスやベートーヴェンの交響曲はチェロの伴奏の役割が大切なのですが、演奏して
いて曲を支えているという快感があります。ちなみにオーケストラで指揮者、私たちチェロ奏者が
かんばって演奏すべき旋律で「あなたたち!」と指示すると、客席ではチェロの音色がパーっと浮か
びあがってくるのがわかります。そのようなコンサートの醍醐味を、劇場でぜひ味わっていただき
たいです。

 

――お子さんはどう音楽を楽しんでいますか?

 

小学1年生の長女がバイオリンを習い始めました。毎日お稽古するのが大切なので、学校に行く前に
なるべく練習させています。土日は私がピアノの伴奏をすることもあるのですが、演奏の仕事が
あると、小さい頃からピアノを習っていた夫が代わって伴奏してくれています。自宅でチェロの
練習をするときは、なるべくひとりで練習室にこもるのですが、時間がなくて「どうしてもせねば
ならぬ!」というときは、おやつやおもちゃとともに、娘二人を部屋に入れます。「ママの音、
うるさい!」!と言いながらも、不思議と出ていかないんですよ。そのうちチェロの音の振動が床
から身体に伝わって、その心地よさで二人ともぐっすり寝てしまうこともあるんです。11月には、
SAYEGUSAさんの銀座と大阪のお店で、子どもたちに向けたコンサートとお話の会を行います。
チェロの心地よい響きを、ぜひ間近で感じていただきたいと思っています。


遠藤 真理 (Mari Endoh)

神奈川県生まれ。東京藝術大学を首席で卒業。
2003年 第72回 日本音楽コンクールで第1位および徳永賞を受賞。
07年ザルツブルグモーツァルテウム音楽大学マギスター過程を満場一致の最高点で卒業。
同年神奈川県より文化賞未来賞を、09年齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。
12年4月より、NHK-FM「きらクラ!」パーソナリティを務める。
17年4月より、読売日本交響楽団のソロチェロ奏者を務める。


SAYEGUSA×MUSIC
150周年秋のスペシャルイベント
《SAYEGUSA 150th ANNIVERSARY CELLO CONCERT》

ソリストとして活動しながら読売日本交響楽団のソロ・チェロ奏者、NHK-FMのクラッシック
音楽番組のパーソナリティなどでも活躍するチェリストの遠藤真理さんをお迎えして、キッズ
向けのチェロコンサートを開催いたします。
目の前で演奏されるチェロの響きに体が包み込まれる素敵な体験、チェロの歴史のお話しや、
名曲の数々を楽しんでいただけます。

<日程>
ザ・メインストア銀座 11月3日(祝・日)  13時開演 *定員に達しました
ザ・ストア大阪 11月30日(土)  13時開演 *空席あり。店頭(tel.06-4799-3193 )までお申し込みください。