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2019.06.10

SAYEGUSA150th × 1500TREES

150th×1500 trees。150年目を迎えたSAYEGUSAが、子どもたちの未来のために手がける新たなプロジェクトのひとつは植林活動です。
「SAYEGUSA RICE & FUTURE」を展開する長野県栄村小滝集落に、里山を彩る500本の植木を。
そして「森の人」を意味する絶滅危惧種のオランウータンを育む、インドネシア・カリマンタン島では、森林保全活動を国内外で行う一般社団法人 more trees の協力を得て、熱帯雨林を再生するために1000本の在来種を植える予定です。
今年もまた、ふたつの地域とのストーリーが始まります。

森との関わり、森への思い

 

大きな木の前に立つと、はるかな地球の営みの中で、木々は木陰をつくり、水を蓄え、大気を満たしながら、私たち人間だけでなく、あらゆる生き物を見守り続けてきたことを思わずにいられません。人間よりも長い歴史を持つ木々が与えてくれるものは、時空を超えた感覚だけではなく、大地の上で助け合って生きる生命と生命の不思議なつながりへの気づきもあるのです。

SAYEGSAが2012年から手がけてきたGREEN PROJECTでは、「豊かな地球を子どもたちへ」というメッセージのもと、里山や大自然の中で子どもたちの五感を開く体験を提供してきました。植林そして当初からの夢のひとつに、子どもたちの感性を育くむ森を中心とした環境づくりがありました。

今年創業150年目を迎えるにあたり、節目の年を起点とするソーシャルアクションとして、そのかねてよりの夢、森づくりの第一歩にとりかかることにしました。目標は1500本の植林です。

植林活動を予定している地域は2ヶ所あります。ひとつはSAYEGUSAが子どもたちの里山活動の場所として関わる中で、里山づくりと地元のお米のブランディングのお手伝いをしている長野県栄村の小滝地区。もうひとつはインドネシア・カリマンタン島のオランウータンの森です。

1500本のうち、500本は小滝地区に、1000本はインドネシアに植林し、5年後、10年後と木々が育っていく様子を見守るプロジェクトをスタートします。子どもたちだけでなく、さまざまな方が一緒に楽しんだり、関わったりする可能性を秘めているこのプロジェクト推進のために、さっそくこの2月にカリマンタン島の森の視察を行いました。

このインドネシアでの植林活動をサポートしてくれるのは、一般社団法人 more trees のみなさんです。
2012年にSAYEGUSA GREEN PROJECTを立ち上げたころから交流を重ね、国産のヒノキやスギ材を使ったワークショップをはじめ、子どもたちが森について考えたり、木に触れる機会をつくる上でご一緒してきました。

 

里山と森との関わりから広がる未来

 

一般社団法人 more trees は、2007年設立の森林保全団体で、ファウンダーは音楽家の坂本龍一さんです。国内で11ヶ所、海外で2ヶ所の森とパートナーシップを結び、保全活動のほか、都市と森を結ぶ活動を続けています。

森は、二酸化炭素を吸収して酸素を供給してくれます。大地に降り注ぐ雨水を葉で受け止め、幹や根をつたって土中へゆっくりと浸み入らせながら、河川や地下水を通じて清らかな水を届けてもくれます。ところが、私たちの健やかな命を支えてくれるこの地球上の森はいま、1秒間にテニスコート15面というスピードで減少しています。中で地球の「肺」と呼ばれる熱帯雨林へのダメージは深刻で、対策が求められています。

一方国内では、戦後の住宅需要に応じて盛んに植林されたため、森林の面積は増えたものの、近年では林業従事者の高齢化や、輸入木材におされた結果、山にスギやヒノキが手に入れられないまま放置されており問題となっています。

そこで more trees では、海外では主に植林を、国内では地域の産業として成り立ってきた地域を中心に、間伐などを行なって山の手入れをすること、さらに国産材を使ってプロダクトを発表するなどの活動をサポートし続けてきました。事務局長の水谷伸吉さんは

「食材と違って木材の産地に消費者の目はなかなか向くことがありません。家具を買う時に、材料の木材がどの国のなんていう樹種かを気にすることはないでしょう。でも当然木材にも産地があり、作り手の方がいらっしゃる。流通のトレーサビリティも含めてもう少しガラス張りにできた方が、森と都市との距離も近づくのではと思います。それを行うことで、違法伐採の木材でないかを確認しつつ、消費者がスマートに選択できるのでは」

と、産地について発信する意義を話しました。

海外の森の支援については、カウンターパートであるNGOや地元の行政との関係性、地域住民を巻き込んでいるかなど、さまざまな条件をクリアした地域とパートナーシップを結んでいるそう。フィリピンの森は2009年から、インドネシア・カリマンタン島の森は2016年から植林活動を継続しています。

国内ではパートナーシップを結んでいる地域住民の方々による山の手入れを、国外では植樹を。
more treesは、それぞれの活動に伴に走しながら、都市に森の情報を伝えています

SAYEGUSAが今年植林を行うインドネシア・カリマンタン島の東カリマンタン州サンボジャ地区の森は、現地でオランウータンの保護活動をするBOS財団がオランウータンのリハビリを行う森として整備してきました。

BOS財団は90年代設立の歴史ある動物保護団体です。既存のリハビリ地域が手狭になったため、2000年代初期にこの森を取得しました。当時はまだ乱伐後に放置された荒地でしたが、彼らは活動を続けながら、森の整備をしてきたのです。

ところが2015年、天然林として回復しつつあったこの森を火災が襲い、266ヘクタール、実に東京ドーム57個分の面積が焼けてしまったのです(下図)。

more treesは2016年からこの森を豊かな天然林へと再生させるために、専門家の力も借りながら、植林する樹種を選んだり、支援企業と足並みをそろえながら、プロジェクトに伴走しています。

 

 

実は周囲の熱帯雨林にの被害はさらに深刻です。2015年、前出のサンボジャの森林火災の原因となった農地や、油ヤシのプランテーション開発を目的とした焼畑の延焼では、東京都12個分にあたる面積の森林が失われたのです。この時の森林火災の煙害はマレーシアやシンガポールまで及び、CO2の排出量はアメリカ合衆国の年間排出量を超えるほどの大災害でした。そして、いつまたこのような事が起きないとも限りません。

私たちの暮らしに欠かせないパームオイルの原料の栽培などによって
想像を超えたスピードで熱帯雨林が失われています

 

水谷さんはパームオイルのために多国籍企業が開発するプランテーションと熱帯雨林の問題についてこう続けました。

「パームオイルは子どもたちが好きなチョコレート菓子やクッキーに含まれる植物油脂の原料です。また、加工食品や外食産業に使われる揚げ油の多くがパームオイルで賄われています。他にも洗剤など、私たちが日常に何気なく手にしている多くの製品にはパームオイルが使われているのです。油ヤシの畑の乱開発により、絶滅危惧種であるオランウータンの生命が脅かされるだけでなく、熱帯雨林が保ってきた非常に豊かな生物多様性がモノカルチャーになってしまう。そのことを伝えるのも私たちのミッションだと考えています。」

150年目にスタートするSAYEGUSAの植林活動。小さな木の芽吹きとそこから生まれるさまざまなつながりを、大勢の子どもたや大人たちとともに見守り、育んでいきたいと思います。

 

illustration_Kanako Okamoto photograph_Yohihiro Miyagawa  text_Aya Ogawa

左/急速な環境破壊で生息地を追われるオランウータン。保護されたオランウータンを原生林に帰すリハビリ施設として森に、SAYEGUSAは植林を行います
右/現地スタッフと信頼を築いてきた more trees スタッフ。2020年には、SAYEGUSAがタイアップする形で、現地への親子ツアー開催も予定しています

 

― 夏休み特別企画「ART SCHOOL SAYEGUSA」 ―

2日間連続のワークショップを開催します。more treesさんから世界や日本の森林を楽しく学び、森の人・オランウータンや、マレーグマたちを主人公に、オリジナル絵本を作ります。写真家の若木信吾さん率いる新進気鋭のクリエーターさん達が先生となって、ストーリー作りや挿絵の指導を行います。
ワークショップの最後には、完成した絵本を飾る本棚を組み立てます。本棚のデザインは日本を代表するグラフィックデザイナーの長嶋りかこさん。積み木のように形が様々に変わる楽しい本棚です。
オリジナル絵本は夏休みの課題にも!ぜひご参加ください。

8月10日(土)、11日(日)@ザ・メインストア銀座、8月17日(土)、18日(日)@ザ・ストア大阪にて開催いたします。