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2019.09.24

NEW!! your days , your dreams VOL.1

未来をつくる子どもたちの夢

子どもの頃、なりたいと思ったものになれたひとは、いったいどれくらいいるだろう。
それぐらい、子どもの頃描く将来はやわらかくかたちを変えやすい。
それでも、子ども達がその感性のままに翼を広げ、何かに夢中になる姿は、
大人にとっての希望のかたまりだ。今思うこと、感じること。
子どもたちの声を拾い集めていけば、夢は、今を目一杯動き生きることから始まると気づく。
それが必ず、明日をかたちづくり、未来につながる。
子どもたちは、美しい。心の翼を広げ、生きてほしい。

今回、会ってきたのは5歳から12歳の子どもたち。今、夢中になっていることをそのまま将来もしたいです、と当然のように語る7歳もいれば、何をしているか、全く分からない、とはっきり断言する9歳もいる。

ベビーの頃から、ドラムばかりを目で追いかけ、いつの間にか耳で覚えた音を鳴らし始めた小学生ドラマー、よよかさん。YouTubeで4歳の頃から流し始めた演奏の映像に、世界的アーティストからも賞賛のコメントが寄せられ、今はNYやロスなどへ招かれるほど、彼女の自由で豊かなスタイルは広く届き始めた。

一卵性の双子で共にバレエを習い、お互い常に支え合う二人の9歳は、それぞれ全く違う未来を見ている。モデルかダンサーと、医者。毎日をずっと共に過ごす同志が、それぞれの将来に向かって本当に動きだすのはいつだろう。

小学2年生ながら、ウィーン、スイス、ロシアへと演奏やコンテストの遠征に忙しいヴァイオリニスト吉村妃鞠さんは「将来もヴァイオリニストでありたいか」と問われ「当然です」と顔を輝かせ毅然と答える。2、3歳の頃から、親も舌を巻く自立心だったと言う。

未来のために今していることを、はっきりと意識して向かっている子も、とにかく毎日を精一杯、好奇心を弾ませて生きている子も、表向きは静かなのに、内側に情熱を秘めて目を輝かせる子も、皆、未来に向かって生きていることには変わらない。どんなに大人びて自分を見極めたように見える10歳手前の女の子も、親や大人たちが自分を認めているかどうかを心の目で見張っていたりする。6歳で逞しさの光るやんちゃボーイも、ひとたび友と衝突すれば母の胸に何度だって飛び込む。もろさと逞しさを行ったり来たりしながら、自分だけの核を少しずつ見つけ、太くしていく子ども時代。そのスピードも、規模も人それぞれだ。

夢を大人の世界から押し付けることはできない。自らの眼差しできらきら光って見えるものを追いかけ、前進んでほしい。せめてその背を押してあげ、必要ならば手を差し伸べられる大人として、子どもたちの力を、信じたい。

VOL.1からVOL.3まで3回にわけて、9人の子どもたちの夢をご紹介します。

お芝居は3時間見ていられる。
「ライオンキング、楽しかった」

寺島 眞秀くん (6歳)

 

最近、テレビで初めて見てから、ボクシングのかっこよさに魅了された眞秀(まほろ)くん。遊びで見せる構えはもうサマになっている。型を身体に取り入れる早さはさすがです。女優の寺島しのぶさんのご子息で4歳の時、歌舞伎座で初お見得しました。熱中しているのは日々のサッカー。エネルギーに満ち溢れ、身体を動かすのが大好きだけれど、ひとたび撮影となれば、ぴたりとわんぱくな動きを止め、視線の先、身体の向き、カメラマンとの対話の即座に応じて、静かな美しい顔を見せてくれました。大好きなサッカーの話から、将来はサッカー選手、と頷いてくれたけれど、心の中にしまった興味は、もっとずっとたくさんのもので溢れているのではないでしょうか。このところ、お芝居もたくさん見て、3時間にも及ぶ舞台でも飽きずに観ていたそうです。劇団四季のライオンキングにキャッツ、劇団☆新感線……その大きな瞳で見つけたものが、どんな風に心を躍らせているか、それがどこに現れるのかが楽しみです。

「私は5つあるの!まず、医者でしょ、それから……」
「私はモデルか……ダンサー」

松本 音子さん、芙生さん (9歳)

音子(ねね)さんと芙生(ふう)さんは、9歳の双子。共にバレエを習い、二人で示し合わせなくても、顔を見合わせて笑ったり、振り返ったり、ふとした仕草は同期しています。けれど、将来の夢は全く違うもの。「モデルかダンサー」と音子さんが目を輝かせれば、芙生さんは「私は5つあるよ。まず医者、医者になれなかったらお薬屋さん(薬剤師)。それがだめなら、ピアニスト。次に先生。先生になれなかったら、えーとなんだっけ、主事さん(学校用務員)、主事さんになれなかったら……」優先順位が時々入れ替わります。最近、一位の医者だけは変わらないよう。そのために、習い事にも精を出す。「公文の国語と算数。でも算数は苦手(笑)」他にはピアノを。バレエは一度お休みしたけれど、最近復活しました。音子さんは、今はバレエだけ。「体は成長するとどんどん固くなるから、柔らかくしておかないと」と、バレエは音子さんの見たい未来に近づけそう。確かに、バレエの仕草だけは、今は音子さんが一歩リード、かな?

「獅子に入ると、魂が入るんだよ」

吉田 豊環くん (7歳)

母の有美さんに連れられて、0歳のイタリアに始まり、ヨーロッパ各地やアメリカ、メキシコ、それにモロッコの砂漠など、長い時は1-2か月かけて多くの土地を旅してきた豊環(とわ)くん。日本でもお母さんの活動やお祭り探訪に同行し、多くの躍動を共にしています。今年2月にも従兄弟を訪ねてブラジルの地方を飛行機33時間に夜行バス7時間、ローカルバン1.5時間を乗り継いで訪れ、ひと月滞在しました。数百人の前で獅子舞とひょっとこ踊りを披露して、拍手喝采を浴びたそう。舞は、保育園で民舞に触れ、祭りにはまり、家にあった獅子頭でお母さんが獅子舞を教えてみたのがはじまり。先日も地元である逗子のお祭りに招かれて舞を披露。踊る前は嫌がるのに、始まった途端、素晴らしく躍動し、表現者として光を放ちます。不思議。「獅子に入ると、魂が入るんだよ。ひょっとこも、そうだよ。」まっすぐこちらを見るとき、少し潤んだ瞳は、とても美しいものでした。その瞳を通したさまざまな世界の種が、心の中にはきっとたくさん眠っています。