SAYEGUSA online shop

Blog GINZA

2019.08.29

[レポート] ART SCHOOL SAYEGUSA

SAYEGUSA GREEN PROJECTの夏休み特別企画として、ザ・メインストア銀座店、
ザ・ストア大阪店にて2日間連続のワークショップを開催。国内外で森林保全の活動を行うmore treesさんと一緒に、世界や日本の森林課題を楽しく学び、インドネシアの森に住むオランウータンやマレーグマなど野生の動物達を主人公にした、オリジナルストーリーの絵本作りと本棚作りにチャレンジしました。

絵本のストーリー作りや挿絵の指導は、写真家で映画監督の若木信吾さんと、若木さんが立ち上げた絵本レーベル「若芽舎」で共に絵本創作に携わる気鋭のクリエーターさん達。そして、本棚のデザインはグラフィックデザイナーの長嶋りかこさんです。

今回はお家の方の助けは借りずに、子ども達と先生達とがしっかり向き合って作品を仕上げていくことを目標としました。第一線で活躍するクリエーターさん達の感性を目の前にして、子どもたちの創造力がどこまで大きく広がるか、主催者側もワクワクドキドキの2日間でした。

 

8月10日(土) 1日目

まずは、more treesの水谷さんから世界や日本の森林について、また、インドネシアで深刻な状態におかれているオランウータンやマレーグマのお話をうかがいました。

今、世界の森林は1秒間にテニスコート15面というスピードで減少しているそうです。特に深刻な問題をかかえているのがインドネシア。豊かな森林がどんどん伐採され、パームヤシの畑になっています。パームヤシから採れる油は、アイスクリーム、チョコレート菓子、ポテトチップス、カップラーメン、シャンプーなど、私達の身近な食べ物や生活品に使用されています。でも森林が失われている原因はそれだけでなく森林火災の被害も多いそうです。

そして、その森に住んでいたオランウータンやマレーグマが住処を追われ、絶滅の危機にあります。オランウータンはインドネシア語で“森の人”という意味だそう。名前の通り、森がなければ生きていくのが困難な生き物なんですね。

サヱグサのスタッフは、今年2月、more treesさん達と一緒に、インドネシアカリマンタン島のオランウータンの保護施設を訪ねてきました。ここでは様々な理由で母親を失ったり住処を失ったたくさんのオランウータン達が、野生の森に帰るための訓練をしています。壁に貼られているのはその時に撮影したオランウータンやマレーグマ達です。

「オランウータンは、60才くらいまで生きるんだよ。群れをつくらず1人でいるんだ。子供は7才くらいになると成人として母親から離れて1人で生活をする。
寝床は毎晩、木の上に作って1回しか使わない。果物が主食で特にドリアンが大好き。マレーグマは、世界で一番小さいクマなんだ。あのクマのプーさんのモデルになったクマなんだよ。彼らも果物や野菜が主食で、ベロが長く、ハチミツ好き。」水谷さんがオランウータンやマレーグマの生態を説明してくれました。

 

サヱグサは150周年の取り組みとして、インドネシアカリマンタン島のオランウータンの保護施設であるサンボジャの森に1000本の植林を行います。また、来年8月には現地を訪れる親子ツアーも予定しています。

 

一方、日本の森林は増えているそうです。「えー!そうなの?なんでなんで?」ビックリした声があちらこちらで飛び交いました。
100年ほど前の日本は木が生活の必需品だったため、多くの山がハゲ山の状態になってしまいました。私たちの祖父やその前の時代の人たちが、これはいけないと盛んに植林してくれましたが、その木が立派に育っても、ボタンをピッとするだけでお風呂が沸きご飯が炊ける便利な現代では、木は昔ほどには必要でなくなってしまったのです。だから森林が増えすぎてしまったのですね。

しかし、ぎゅうぎゅうに木が生えた暗くじめじめした森林も、余分な木を間引きをすることで光が差し込み明るい森になります。そして様々な植物が生えたり動物が生活できるようになります。本来の元気な森の姿になるのです。

今の日本の森林に必要なのは、適切な伐採による森林の健全化です。では、そうやって切った木はどうするのがいいでしょう?

少しでも多く、木を使った製品を生活に取り入れることです。みんなのお家でも木を使った家具などはあると思いますが、その多くの木の産地はマレーシアやインドネシアが多いそうです。
森林がどんどん減っている海外の木ではなく、日本の木、森林を健康するために切った木を使うとよいですね。そういう木を間伐材といいます。

more treesさんでは、日本の木を使ったおもちゃや道具を制作しています。今回2日目に造る本棚は、日本の木、「9割が森林」という鳥取県智頭町の杉の木を使用しています。

 

お話しを聞いた後はいよいよ絵本作りです。

『バゲットさんのオープンカー』の著者、ボブファウンデーションの充展先生と洋美先生。『しんまいぐま』の著者、オカタオカ先生。3人の先生がそれぞれ5,6人のテーブルを担当。

本番用の真っ白な本はまだ少しお預けで、まずは練習用のスケッチブックで構想を練ります。先生たちのアドバイスを受けながら想像力を膨らませてストーリーを組み立て、それに合わせて絵を描いていきました。

 

机の真ん中に並んだ色々な画材を思い思いに使って頭の中で考えているイメージを形にしていきます。

「クマが**しているところはどうやって書くの?」「この続きのストーリーはどうしたら面白いかな?」子ども達の元気いっぱいの質問攻めに先生も負けない熱量で答えていました。

休憩を2回挟んで3時間。1日目の終了時間までに練習用のスケッチブックにで下書きを完成させた子、ストーリー作りにまだ悩んでいる子、すでに本番用の白本に書き始めた子とそれぞれですが、みんな集中して頑張りました。

 

8月12日(日) 2日目

頭の中が作品のイメージでいっぱいなのか、到着早々、開始の時間が待ちきれずに作品作りを進める子もいました。2日目は絵本の仕上げと本棚作りです。

オランウータンやマレーグマ、海の生物、大好きなペットたちを主役にした、オリジナルの絵本がどんどん仕上がっていきます。その創造力と観察力に感心し、そして休憩もそこそこで創作に集中する姿にはただただビックリさせられました。

 

2日目後半は本棚作り。岐阜県智頭町の杉の木の良い香りが会場に広がりました。
9本の木の棒と14本のビスを組み合わせて、数通りの形が作れます。好きな形、お部屋に合う形を選んで組み立てていきます。自作の本を先生達の本と一緒に並べるのが楽しみですね。

*お家に帰ってからも違う形に作り直すことが出来ますが、カットされた木も呼吸しています。夏には水分を含んで穴が少しゆるむことも。そんな時はビスにセロテープを貼って調整してください。

 

全員が絵本を無事完成し、みんなで記念撮影。
2日間で合計6時間の長丁場おつかれさまでした!子どもも先生たちも最高の笑顔で終了しました。

今回の参加者に多かった6歳前後のお子さんには、ひとりでものごとを完成させる機会や時間というのは普段でもななかなか無いかもしれません。一人でやり遂げた!という経験は確実に子ども達の自信になったと思います。そしてこのイベントが子どもの好奇心をひろげるきっかけになれたら幸いです。

ご参加ありがとうございました!